何かにつけて悪者扱いの『ストレス』、本来ストレスは、成長するための糧となる試練や壁を与えてくれるのですが、それが過度になり過ぎたり、受け取る側の性格や感受性などに大きく左右されるため、どうしてもマイナス面がクローズアップされてしまいます。
実際、多くの人は日々のあらゆるストレスに対して、どうにかこうにか対処しながら生活しています。
そして、そのストレスが大きく、しかも長時間続く場合、心の容量を超えてしまい処理しきれなくなってしまいます。
すると人は自然と、不眠症やうつ病などの心の病気や身体の病気になることによりS.O.Sのシグナルを発するようです。
ストレスによって生じる身体の病気を『心身症』といいます。
心身症に陥ると、 説明の出来ないイライラや不安にさいなまれ他人に当たり散らしたり、感情の起伏をコントロール出来ず生活に支障が出てしまいます。
身体的には、首や肩や腰がカチカチになり痛みすら覚えるようになります。
このような状態にある人が、「肩が凝った」「首が凝った」などと誤った自己判断をし、マッサージなどで揉んでもらって何とかしようと試みます。
もちろん感覚が鈍っているため、構造上あり得ない強さで揉むように指示をしてしまう事が多く、身体はその強度に耐えられるようにますます硬化して、カチカチからガチガチに、まるで岩のような硬さに変わってしまいます。
このような時に身体の構造に精通し、良心的な考えの所であれば、身体のために本当は何が必要でどうすれば良いかをキチンと説明し、強く圧すなどの刺激はまず与えません。
逆に、商売優先で身体の何たるかを理解していないような所であれば、言われるがまま強い刺激を与え続け、さらに慢性化を酷くしてしまうような対応をするでしょう。
そうなると後はイタチごっこの様相を呈し、硬いから強く圧すのか、強く圧すから硬くなるのかの悪循環にはまっていきます。
大切なのは自分が抱え込んでいる悩みや、ストレスとどう向き合って対処していくのかをよく考え行動していく事だと思います。
現在では、ストレスが処理しきれず許容量を超えてしまうと『自律神経系』『内分泌系』『免疫系』の3つのいずれかにダメージを与え心身症を引き起こすと考えられています。
①自律神経系
あらゆる臓器を含め、人は交感神経と副交感神経によって支配されています。
緊張や興奮状態になると血圧が上がり、心拍数が速くなりますし
余裕や安心状態になると身体と心に安定感が生まれリラックスモードになります。
これらがまさに『自律的に』バランスを取り内臓の機能を調節している状態といえます。
ストレスは交感神経に影響を及ぼし血圧を上げますが、これが日常的に緩和されなければ、血管そのものにまで影響を及ぼし『動脈硬化』『くも膜下出血』『脳出血』にもなりかねません。
また、よくある症状としては、首や肩のこわばり、頭痛、腹痛、吐き気、めまい、耳鳴り、立ちくらみ、頻尿、動悸、掌の汗、気分の悪さなどがあります。
②内分泌系
ストレスはホルモンに影響を与え『ステロイドホルモン』を分泌させます。
ストレスを上手に処理していれば、問題なく元に戻りますが 、容量を超えた場合にはこのステロイドホルモンが出続ける事になり、胃や十二指腸の粘膜を弱くさせます。
すると、胃酸の影響から 『胃潰瘍』や『十二指腸潰瘍』になってしまいます。
また、よくある症状としては、寝つきが悪く何度も目が覚め、昼夜逆転の傾向が強く1日中続く眠気などの睡眠障害、体温リズム障害と微熱、午前中の不調(午後好調)などがあります。
③免疫系
急性、慢性に関わらず、ストレスは免疫機能を低下させます。
体調不良がなかなか解消されない
風邪をひきやすくなった
怪我が治りにくい
感染症が長引くなど、
いわゆる『抵抗力』が下がってしまいます。
また、免疫能力の低下は『癌』になる可能性にも繋がってしまいます。
これらを改善するには、無理のない程度でも構いませんので、少し体を動かすような運動をしたり、非日常の時間や環境を作ったりしながら、睡眠をしっかりととり、普段からこれら①~③のバランスをしっかりと保てるような、規則正しい生活習慣を身に着けておくことが、ストレスの対処には大変重要なポイントなのです。
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