日々の生活の中で、どんな時に『座る』のでしょうか?
食事、通勤、通学、運転、仕事など、人はかなりの時間を座る事に費やしています。
ですから、間違った座り方が習慣付いてしまうと、身体が歪んで左右前後の筋肉のバランスが偏り、痛みや痺れや疲れを引き起こします。
良い姿勢で座るには、ポイントは2つ。
1つ目は『背もたれを使わない』
西洋式の椅子にはほぼ背もたれが付いていますが、背中をもたれかけると骨盤が後傾し背中と腰が丸くなり、その弯曲のせいで逆に首とあごが前に出てバランスを取ろうとしてしまいます。
横から見るとアルファベットの『C』の形です。
この状態では胸郭が圧迫されるため呼吸が浅くなりますし、内臓も圧迫され血流にも悪影響が出ます。
また前方に移動した首と頭を支えるために首から肩、背中にかけての筋肉が常に引っ張られている状態になり、上背部全体のこりの原因になります。
2つ目は『坐骨で座る』
身体を直立させた状態から座ると、左右の足の付け根(骨)が、椅子に当たる感触があると思いますが、それが坐骨です。
その坐骨を椅子の表面にしっかりと突き立てたまま骨盤を立てます。
その上に腰、背中、首の骨を1つ1つ真っ直ぐに積み上げていく感覚で座り、最後に頭をちょこんと乗せるだけです。
体幹の筋肉が本来の役目を果たしていれば、この姿勢が身体にとって最も自然で楽なのです。
しかし多くの方がすぐに『崩れて』しまいます。
坐骨で座る習慣がないので、身体を固定するために必要な体幹の筋力が衰えてしまっているのです。
また、骨盤を立てるのには『股関節の柔らかさ』が欠かせません。
股関節の可動域が狭いと骨盤を立てるのが辛く感じ、楽をするために骨盤を寝かせてしまうのです。
体幹がバランス良く整えば、『姿勢を良くしないと!』などと意識をしなくても、自然と腰が立ち、胸が張れ、顎が引けた正しい姿勢を保つ事が出来るのです。
バレエや歌舞伎などをされている方の姿勢を思い浮かべれば、分かり易いかも知れません。
現代社会において、手放せなくなったデジタル機器が姿勢に及ぼす影響は甚大です。
仕事ではもちろんの事、ちょっとした時間を見つけては、すぐにスマホを操作する癖が付いている人をよく見かけますが、ほとんどの方がうつむき、首が前に倒れた状態で何十分~何時間もそのような歪んだ姿勢で過ごしています。
最近、特に問題となっているのは、若年層の、首を支えるために必要な正常な弯曲が無くなる『ストレートネック』や、まるで高齢者のような腰の曲がり方や猫背などの骨格異常で、物心ついた時からその種の機器が常に手元にある環境のせいで、姿勢が悪くなり、骨格の歪みが顕著になっています。
さらに崩れた座り方は、身体のみならず心の歪みに直結しますので、しっかりと正しく座る練習をして心身を整えましょう。
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