身体の連動構造にしたがって無理なく動かす事により、歪みのある『歪体』から、自然体である『正体』に戻す事を目的に指導しています。
人間には本来、原始感覚ともいう野生動物の勘のようなものがあります。
ご自身に合った生活行動をとり、必要な分に限って食べ、健康に生きていく力の事なのですが、便利な世の中になり感覚が鈍り情報に左右され、身体の声が聞き取れなくなってしまいますと身体のバランスが崩れ、歪みとなって現れます。
痛みに対しては痛くない方向へ動かす、一番気持ち良い方向へ動かすという事が大前提の操法ですので、まずはどう動けば気持ちが良いのか、身体が弛んでいくのか、心が穏やかに整うのか....そのような事をゆったりとした動きの中で感じながら整体していきます。
身体の動きは8つに分けられます。
『前後屈伸』で2つ、『左右屈伸』で2つ、『左右の捻じり』で2つ、『圧迫と牽引』で2つの、計8つです。
これらを念頭に身体に無理のない、優しい動きを行ない、痛みや動きが悪い、つまり歪みがある場合は、その部位を動かせるギリギリの所から痛くない心地良い所へゆっくりと動かしていくという動作を繰り返します。
繰り返しになりますが、大切な事は『どこをどのように動かすとどう感じるのか』をご自身が把握する事です。
そして痛い事はしない。 これは鉄則です。
また、操体では『人間の設計にミスはない』と考えられています。
単に、身体を動かし整えるという健康法ではなく、生き方の自然法則から外れると、心身の姿と動きに歪みが起こり、心身のバランスが崩れて不調になりますが、自然法則に沿うと歪みがなくなり正体に戻る、というような事も含めての『トータルケア』的な要素の整体法でもあります。
この構造さえ理解し、生活を崩さないという配慮を怠らなければ健康な毎日を送れると考えています。
そしてその自然法則とは『呼吸』『飲食』『身体運動』『精神活動』の4つです。
『息:食:動:想』ともいい、毎日の生活のあり方、つまり1人1人の取り組み方次第で、身体のあり方・健康状態が決まってくると言っても過言ではありません。
心身の不調を感じたら、まず息:食:動:想の法則から外れたバランスを崩すような生活を改め、自然な生活を心がけましょう。
また、身体は首、肩こりや腰痛、むくみ、便秘、肥満などのない、『正体』に戻ろうとする本能があります。
にも関わらず、何年も不調が続いているようならその責任は自分自身にあります。
なぜ、不調が続いているのか、なぜ良くならないのか、ご自身の生活や人生観を見つめ直し、その原因に対して腰を据えて対応する必要があると思います。
『呼吸』
操体では腹圧を高める腹式呼吸を指導しています。
ゆっくりと下腹に力を練り込み、腕、肩、首、背中の力を抜いていく呼吸は心身に絶大な効果をもたらします。
自然な呼吸の習得には日々の意識付けと継続が必須ですので、毎日無意識に行えるまで繰り返し取り組みます。
また、吐く事に重点を置く調息法は、長生きの秘訣でもあります。
『飲食』
日常の食べ物が身体を作っています。
心身が不調の方、肥満の方、痩せの方、大きな原因の1つは『栄養失調』です。
身体にとって適切な栄養の摂取が出来ていないという意味において、同じ延長線上に考えられますので、バランスの良い自然な食習慣を実践すれば、心身共に歪みが減少していきます。
『運動』
重心を身体の中心に置くことに重きを置き、無理のないゆったりした動きで身体を整えていきます。
ポイントはどう動けば心地良いのかを追求する事です。
運動とは一生、続けていくモノであり、今しか出来ないような過度なトレーニングや不自然な動きは、行なっても意味がありません。
『精神』
つまり心の持ちよう、物事の捉え方、感謝の心です。
大地や空気など自然の恵みに気を配り、家族や友人など、周りの人々の大きな愛情に支えられている事に気付き、生かされている今に感謝し、明るく穏やかな心で日々を過ごす事です。
これらの事を、今日明日にすべて習得し実践するのは難しいですし、急な変化に心身は抵抗し逆効果になる場合があります。
思いつきで始めた、続かないダイエットと同じ結果になりかねません。
要は、ご自身が自らの心身に気を、心を配り、感謝の心で過ごす事が 何よりも大切なのです。
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