ぎっくり腰

魔女の一撃とも言われる、身動きが取れなくなるほどの激痛に襲われた事がある方も多いのではないでしょうか。

 

解釈の仕方は様々ですが、当院では心身が、限界を超えた状態へのSOSとして、身体のシステムごと動けなくしてしまう『強制終了』だと考えています。

 

それは、TVにエアコン、冷蔵庫にオーブンレンジ、そしてドライヤーなど電気を使いすぎて、これ以上使ってはいけませんよと、ブレーカーが落ちるような感じです。

 

そして、この時、どんな対応をするのでしょうか?

 

とりあえずブレーカーだけを戻して、同じように使いますか?

 

恐らくは、まずその原因となったものの電源を切ると思います。

 

ぎっくり腰の場合も同様です。

 

「ブレーカーが落ちて不便なんだから、ブレーカーを戻せばいいでしょ」的な対応で良い訳がありません。

 

無理をしている身体を強制的に動けなくして休ませようとしているので、動かそうとすると筋肉が緊張を起こし激痛を与えます。

 

この時に必要なのは『安静』で、ゆっくり呼吸をし日々の生活を振り返り、悲鳴を上げた身体を労わる事に努めるのです。

 

それ以外の事は一切必要ありません。

 

身体の自然な働きにまかせていれば数日で動けるようになるのですが、余計な、不自然な事をすると痛みが増して逆に長引いてしまいます。

 

とにかく寝たきりが一番ですので、断食も良いかも知れません。

 

この間は身体に無理を強いてきた事からいったん離れリセットするのです。

 

使いすぎた電化製品の使用を控えるのと同じです。

 

問題なのは、時折見かける『ぎっくり腰を1発で治します』みたいな治療です。

 

身体の構造から申し上げると、身体の自然なシステムに逆行するような、このような行為はすべきではありません。

 

『患者さんが困っているから助けてあげているんです』

『痛がっている患者さんが楽になるのだからいいじゃないか』

 

とんでもない思い違いです。

 

ぎっくり腰だけに限らず、身体の不調にはそうなってしまった原因が、必ずあります。

 

そんな、原因に目もくれない、とりあえずの対処が本当の意味での『患者さんのため』になるのでしょうか。

 

確かに、ぎっくり腰の場合に仙腸関節を整骨すれば、痛みが取れて動けるようになるかもしれませんが、知らず知らずのうちに身体が限界を超え、安静が必要な方に対し、あえて人工的に動けるようにしてどうするのでしょうか。

 

また、そんな処置はすぐに再発を招きかねませんし、繰り返していくうちに癖になってしまいます。

 

身体が行なう自然な働きにしっかり耳を傾けると、今、何をすべきかがおのずと分かるようになります。