痛みの虜

人は意識を向けた方に近づいていきます。

 

自動車の運転でも、対向車に意識が向くと知らず知らずのうちに寄ってしまいますし、走る競技でも横の走者が気になると、ぶつかってしまうほど自然と近づいてしまうものなのです。

 

 

自動整体でも同じ事が言えます。

 

本来、自動整体は「気持ち良さを感じる事」が基本ですので、動きの中でどう動かせば気持ちが良いか、どこがどのように伸びているか、それがどれ程の気持ちの良さか、というような感覚に気づいたり、味わう事が欠かせないのですが、それが難しい人がいます。

 

それは、「痛みを手放せない人」です。

 

自動整体を行なっても、まず意識を向けるのが「痛み探し」です。

 

「〇○が痛い」

「今度は〇○が痛い」

「この姿勢では〇○が辛い」

 

つまり、腰が痛い・膝が痛い・背中が痛い、右が痛い・左が痛い・・・。

 

ご自身の身体のどこかに感じる痛みを癖のように探してしまい、それに意識を向けてどんどん痛みの虜になってしまうのです。

 

これは「被害者意識」とも言える、とても良くない心理状態です。

 

マイナス思考と言っても良いかも知れませんが、「良くなろう!」という気持ちに無意識にストップをかけてしまっています。

 

そうする事でいつまでも痛みと共に居られるので、いつまでも「患者」として扱われ居心地が良くなってしまうのです。

 

そうではない人には理解が難しいのですが、いつも痛みがある事で何かしらの安心を得ている人は当然いつまでも痛みを手放そうとしないので、常に身体の痛みに意識を向けてしまいます。

 

自動整体ではそのような人に、身体を動かす事は痛みを探す作業ではなく、気持ち良さを探す作業であるという事をお伝えしたいのです。

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